この記事ではダクトメジャーの使い方と、ダクトサイズ・風速の計算方法を若手設備技術者向けにわかりやすく解説します。インタラクティブ計算ツール付きで現場での即時確認にも役立ちます。

ダクトメジャーとは

ダクトメジャー(計算盤)は、ダクトの幅・高さと風量を入力するだけで風速を計算できる専用ツールです。現場で設計図面のダクトサイズが適切かどうかをすばやく確認するために使います。

確認できること具体的な用途
風速(m/s)設計風速に対してダクトサイズが適切か確認
高圧/低圧の判定15m/s以上で高圧ダクト→板厚アップが必要
アスペクト比短辺と長辺の比率が1:4以内かチェック

エアハンドリングユニット(AHU)とは

エアハンドリングユニット(AHU)は、還り空気(RA)と外気(OA)を混合し、コイルで冷却・加熱して送風する大型空調機です。大規模建物のホール・工場・プール施設などに設置されます。

🔄 AHUの空気の流れ

記号名称内容
RA還気(Return Air)室内から戻ってきた空気
OA外気(Outside Air)外部から取り込む新鮮な空気
SA給気(Supply Air)RA+OAをコイルで調整して送り出す空気

SA送風量 = RA還気量 + OA外気量(質量保存の法則)

風速の計算式

ダクトの風速は次の式で計算します。この式を覚えておくと、ダクトメジャーがない現場でも概略値を素早く確認できます。

v(m/s) = Q(m³/h) ÷ [ W(m) × H(m) × 3600 ]
記号意味単位備考
v風速m/s15m/s以上で高圧ダクト
Q風量m³/h機器表・設計図から確認
Wダクト幅m(mm÷1000)800mm → 0.8m
Hダクト高さm(mm÷1000)800mm → 0.8m
3600換算係数1時間=3600秒

アスペクト比とは

アスペクト比とはダクトの長辺と短辺の比率のことです。空気の流れを良くするため、1:4以下にすることが望ましいとされています。

ダクトサイズ例アスペクト比判定コメント
400 × 4001 : 1✅ 理想的最も効率が良い
800 × 4001 : 2✅ 良好問題なし
800 × 2001 : 4✅ 許容範囲ギリギリOK
800 × 1601 : 5❌ 要見直し抵抗大・効率低下
💡 なぜ1:4以下?
アスペクト比が大きくなると、ダクト内の空気が壁面と接する割合が増え、摩擦抵抗が大きくなります。これにより送風機の負荷が増加し、省エネの観点からもNGです。スペースに余裕があるなら正方形に近い形状を選びましょう。

ダクトサイズ確認の手順

1

機器表で設計風量(Q)を確認する

設計図の機器表(スケジュール)を開き、AHUの定格風量(m³/h)を読み取ります。

2

図面のダクトサイズを確認する

平面図・断面図からダクトの幅(W)×高さ(H)をmm単位で読み取ります。

3

風速を計算する

v = Q ÷ (W × H × 3600) で風速を算出。ダクトメジャー計算盤またはこのページの計算ツールが便利です。

4

判定する

①風速が15m/s以上なら高圧ダクト(板厚アップ)、②アスペクト比が1:4超なら形状を見直します。

計算例

📐 例①:800×800mm ダクト(標準ケース)

条件:AHU風量 Q = 30,000 m³/h、ダクトサイズ W×H = 800×800 mm

計算:

v = 30,000 ÷ ( 0.8 × 0.8 × 3,600 ) = 30,000 ÷ 2,304 ≈ 13.0 m/s

アスペクト比:800 ÷ 800 = 1:1(理想的)

✅ 風速13.0 m/s(15未満)→ 低圧ダクト・標準板厚でOK

📐 例②:650×650mm ダクト(スペース制約ケース)

条件:AHU風量 Q = 30,000 m³/h、ダクトサイズ W×H = 650×650 mm(スペース不足)

計算:

v = 30,000 ÷ ( 0.65 × 0.65 × 3,600 ) = 30,000 ÷ 1,521 ≈ 19.7 m/s

❌ 風速19.7 m/s(15以上)→ 高圧ダクト:板厚を0.8mm→1.0mm以上にアップ
⚠️ 板厚アップの目安:
低圧ダクト(15m/s未満)は通常0.5〜0.8mm。高圧ダクト(15m/s以上)は1.0mm以上。
板厚は空調衛生工事標準仕様書(HASS)の規定に従い、設計監理者に確認しましょう。

インタラクティブ計算ツール

風量・ダクトサイズを入力するだけで風速・アスペクト比・高圧/低圧判定が自動計算されます。現場での確認にご活用ください。

ダクト風速 計算ツール

風量とダクトサイズを入力 → 風速・判定を即座に確認

機器表の定格風量を入力してください

📊 計算結果

断面積
風速
ダクト区分
アスペクト比

現場でよくある失敗3選

❌ 失敗① ダクトメジャーの目盛りを読み間違える

ダクトメジャーは幅と高さを同時に読む独特の目盛り構造です。幅の列と高さの列を取り違えると全く異なる風速値が出ます。

対策:読んだ後に必ず「風速 = 風量 ÷ 断面積」で手計算して照合する習慣をつける。

❌ 失敗② 風量の単位を間違える(m³/h と m³/min の混同)

ダクトメジャーは m³/min 入力のものと m³/h 入力のものが混在します。単位を間違えると風速が60倍ずれます。

対策:使用前に計算盤の目盛り単位(h か min か)を必ず確認する。

❌ 失敗③ アスペクト比を無視したサイズ変更

現場の納まりでダクトサイズを変更した際、アスペクト比が1:4を超えると圧力損失が増大し、騒音や風量不足の原因になります。

対策:サイズ変更時はアスペクト比を必ずチェック。1:3以内を目標にする。

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まとめ

確認項目基準・目安超えた場合の対応
風速15 m/s 未満 → 低圧ダクト15 m/s 以上 → 高圧仕様(板厚アップ)
アスペクト比1:4 以下が望ましいダクトサイズの形状を見直す
板厚(低圧)0.5〜0.8 mm
板厚(高圧)1.0 mm 以上HASS規定・設計監理者に確認
風量の確認先設計図の機器表(スケジュール)ダクトサイズの確認先も同様
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繊細な設備屋けー君
設備施工管理として10年働いております。 図面作成他何かお手伝いできる事がございましたらご連絡お願いいたします 資格・・1級管工事施工管理技士、甲種Ⅰ類消防設備士、電気工事士です どうかぜひとも読んでいって下されば幸いです