この記事では天井内の冷媒配管で発生する結露の原因を、空気線図(湿り空気線図)を使って視覚的に解説します。なぜ結露するのか・どうすれば防げるのかを、若手技術者向けにわかりやすく図解します。

なぜ天井内で結露が起きるのか

結露は「空気が冷やされ、含みきれなくなった水蒸気が水滴になる現象」です。夏場の天井内は、エアコンの冷媒配管(低温)と高温多湿の空気が共存するため、結露が発生しやすい環境になっています。

天井内での結露発生の仕組み 【天井内スペース】 高温・多湿の空気(30°C・RH50%)が充満 冷媒配管(表面温度 < 露点温度) 空気が冷やされ → 結露水が発生(水滴) 配管表面温度が「露点温度」を下回ると結露が始まる 天井内へ水が滴下 → クレーム・漏水事故の原因に!
▲ 天井内の結露メカニズム。低温の配管表面が露点温度を下回ると結露が始まる。

空気線図とは?

空気線図は温度・湿度・露点の関係を一つのグラフで示したものです。縦軸が絶対湿度(g/kg)、横軸が乾球温度(°C)で、相対湿度の曲線が描かれています。「今の空気状態をグラフ上の点として表し、どこで結露するか」を視覚的に読み取れます。

用語意味ポイント
乾球温度普通の温度計で測った温度(°C)横軸
絶対湿度空気1kgに含まれる水蒸気量(g/kg)縦軸
相対湿度飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合(%)曲線
露点温度その空気が結露し始める温度(°C)飽和線との交点
飽和線(RH100%)これ以上水蒸気を含めない限界の線この線を超えると結露
💡 読み方のコツ:空気線図上の「点(空気の状態)」から水平に左へ線を引き、飽和線(RH100%)と交わった温度が「露点温度」です。配管表面温度が露点を下回ると結露が始まります。

空気線図で読む結露の2ケース

空気線図(湿り空気線図)―結露発生の仕組み 5°C 10°C 15°C 20°C 25°C 30°C 35°C 乾球温度(°C) 0 5 10 15 20 25 30 絶対湿度 (g/kg) 70% 50% 40% 20% A点: 30°C・RH50% 露点 19°C B点: 30°C・RH40% 露点 15°C 換気で湿度低下 A点:RH50%(換気なし)→露点19°C B点:RH40%(換気あり)→露点15°C RH100%(飽和線)
▲ 空気線図(教育用簡略版)。A点・B点から左へ水平線を引くと各々の露点温度がわかる。

❌ ケースA:換気なし(RH50%・天井内30°C)

天井内温度 30°C・相対湿度 50% の場合、絶対湿度は約 13.6 g/kg です。
空気線図上でA点から左へ水平線を引くと、飽和線(RH100%)と 19°C 付近で交わります。
冷媒管の表面温度が 19°C 未満になると結露が発生します。

夏場の低圧冷媒管は表面温度が5〜15°C程度になることも多く、結露が発生しやすい条件です。

✅ ケースB:天井内換気あり(RH40%・天井内30°C)

天井内に換気扇を設置して湿度を下げ、相対湿度 40% になった場合、絶対湿度は約 10.9 g/kg です。
B点から左へ水平線を引くと、露点は 15°C 付近まで下がります。
露点が下がることで、配管が結露しにくくなります。

換気量は天井内容積の5〜10回/h程度を目安に検討します。温度スイッチ付きファンで自動制御すると効果的です。

露点温度の早見表

天井内温度RH 60%の露点RH 50%の露点RH 40%の露点
25°C約 16.7°C约 13.9°C约 10.5°C
30°C約 21.4°C約 19°C約 15°C
35°C約 26.0°C約 24.0°C約 19.9°C
⚠️ サーバー室・精密機械室は特に注意:
結露が絶対に許されない部屋(サーバー室など)では、冷媒管の保温厚さを20mm以上にすることが標準的な対策です。また保温施工の継ぎ目・テープの浮きがないかも必ず確認しましょう。

結露対策のまとめ

1

天井内換気の設置

天井内にファンを設け、高温多湿の空気を循環・排気します。温度スイッチ(三菱 FS-10TE1等)で一定温度以上になったら自動起動する方法が効果的です。

2

保温施工の徹底

冷媒管の保温材を適切な厚さで施工し、継ぎ目やテープの浮きがないよう仕上げます。標準は13〜20mm、サーバー室等は20mm以上。

3

建築・設備・電気の連携確認

結露問題は設備単体でなく建物全体の問題です。天井内の通気経路・断熱材の有無・開口部の気密性なども確認し、各工種と連携して対応しましょう。

対策効果備考
天井内換気扇の設置湿度低下 → 露点低下温度スイッチで自動制御が理想
保温厚さのアップ管表面と空気の温度差を緩和サーバー室は20mm以上推奨
保温施工の品質管理保温切れ・結露箇所の撲滅継ぎ目・テープ浮きを重点確認
建物気密・断熱の見直し天井内への湿気流入を抑制建築・設備・電気の連携必須

現場でよくある失敗3選

❌ 失敗① 空気線図の湿球温度と乾球温度を読み間違える

空気線図では乾球温度は横軸、湿球温度は斜め線で読みます。混同すると露点温度の計算が大きくずれ、防露設計が破綻します。

対策:線図を読む際は必ず「乾球=横軸、相対湿度=曲線、露点=絶対湿度一定線を下に辿る」の手順で確認する。

❌ 失敗② 冷温水管の防露保温厚を薄くする

保温厚が不足すると表面温度が露点以下になり結露が発生します。コスト削減で保温厚を減らすと、天井汚損・カビ発生・躯体腐食につながります。

対策:設計条件(室温・相対湿度)から露点温度を算出し、保温外表面温度が露点+2℃以上になる厚さを選定する。

❌ 失敗③ 断熱材の継ぎ目・貫通部の防露処理を省略する

保温の継ぎ目や支持金物の貫通部から熱橋が生じ、局所的に結露が発生します。竣工後に天井シミとして発覚するケースが多いです。

対策:継ぎ目はテープでシール、支持金物部は絶縁ライナーを使用し熱橋を遮断する。

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繊細な設備屋けー君
設備施工管理として10年働いております。 図面作成他何かお手伝いできる事がございましたらご連絡お願いいたします 資格・・1級管工事施工管理技士、甲種Ⅰ類消防設備士、電気工事士です どうかぜひとも読んでいって下されば幸いです