この記事では制気口(吹出口・吸込口)の面風速の意味・計算方法・サイズ選定方法を計算ツール付きで解説します。新人設備技術者がすぐ現場で使えるよう、用途別の基準値表・計算手順・例題もまとめています。

制気口・面風速とは

面風速(有効面風速)とは、吹出口(給気口)や吸込口(排気口)の有効開口面積を空気が通過する速度(m/s)のことです。面風速が高すぎると騒音・ドラフト感(寒さ)の原因になり、低すぎると換気・空調効率が下がります。

種類別名役割標準的な面風速
吹出口(給気口)SA口、制気口調整した空気を室内へ供給3.0 m/s 以下
吸込口(排気口)RA口、排気ガラリ室内の空気を排出4.0 m/s 以下
外気取入口(OAガラリ)ガラリ外部から新鮮空気を取込3.0 m/s 以下
💡 開口率とは:制気口の全面積のうち実際に空気が通過できる割合です。羽根(フィン)やフレームで塞がれた部分があるため、通常は 0.8(80%)を使用します。メーカーカタログに記載された実効開口率を使うとより正確です。

面風速の計算式

面風速の計算式は以下の通りです。この式一本で給気・排気どちらも計算できます。

v(m/s) = Q(m³/h) ÷ [ W(m) × H(m) × 開口率 × 3600 ]
記号意味単位備考
v有効面風速m/s給気≦3.0、排気≦4.0が目安
Q風量m³/h設計図の機器表・換気計算書から確認
W制気口の幅m(mm÷1000)450mm → 0.45m
H制気口の高さm(mm÷1000)450mm → 0.45m
開口率有効開口の割合—(0〜1)通常0.8を使用
3600時間→秒の換算1時間=3600秒

計算手順と例題

1

設計図から風量(Q)を読み取る

機器表・換気計算書に記載されている室への給気風量または排気風量(m³/h)を確認します。

2

制気口サイズを仮定する

図面に記載のサイズ(W×H mm)を確認。または必要面積から逆算してサイズを決める(逆算法は後述)。

3

計算式に代入して面風速を求める

v = Q ÷ (W × H × 開口率 × 3600) を計算します。mmをmに換算(÷1000)することを忘れずに。

4

基準値と比較して判定する

給気:v ≦ 3.0 m/s、排気:v ≦ 4.0 m/s を満足するか確認。超える場合はサイズを大きくするか、風量を見直します。

例題①:面風速の確認

📐 条件と計算過程

風量 Q1,500 m³/h制気口サイズ450 × 450 mm
開口率0.8種別給気(SA)

① mm → m 換算:450mm = 0.45m

② 面風速計算:
v = 1,500 ÷ (0.45 × 0.45 × 0.8 × 3,600)
v = 1,500 ÷ 583.2
v ≈ 2.572 m/s

✅ 2.572 m/s ≦ 3.0 m/s → 給気基準内でOK

例題②:サイズの逆算(必要面積から求める)

📐 条件と計算過程(逆算)

風量 Q1,500 m³/h目標面風速3.0 m/s 以下(給気)
開口率0.8

① 必要有効面積の計算:
W × H = Q ÷ (v × 開口率 × 3,600)
W × H = 1,500 ÷ (3.0 × 0.8 × 3,600)
W × H = 1,500 ÷ 8,640 ≈ 0.1736 m²

② 正方形に近いサイズを選定:
√0.1736 ≈ 0.416m → 50mm刻みで切り上げると 450mm
450mm × 450mm = 0.2025 m²(有効面積 = 0.2025 × 0.8 = 0.162 m²)

③ 検算:
v = 1,500 ÷ (0.45 × 0.45 × 0.8 × 3,600) ≈ 2.57 m/s ✅

答え:450 × 450 mm の制気口

用途別・推奨面風速一覧

給気(吹出口)の許容面風速

用途・部屋の種類推奨面風速(m/s)備考
放送スタジオ1.5 〜 2.5静粛性最優先
住宅・ホテル寝室2.5 〜 3.5ドラフト感に注意
アパート・教会・劇場2.5 〜 3.8
事務室(個室)2.5 〜 3.8
一般事務室・学校3.0 以下(推奨)天井高が低い場合の標準値
事務室(大空間)5.0 〜 6.3天井高が十分ある場合
百貨店・工場7.5 〜 10.0天井高大・居住域まで距離あり
排気ガラリ(外部吹出)3.0 〜 4.0外部へ排出するため給気欄に記載

排気(吸込口)の最大許容面風速

用途・部屋の種類最大吸込速度(m/s)備考
ホテル・住宅・病院(個室)2.0静粛性重視
映画館・スタジオ2.0 〜 2.5
会議室・ホール2.0
事務室2.5
機械室・工場3.0
外気取入口(OAガラリ)3.0雨水・虫の侵入防止も考慮
一般(標準値)4.0 以下風切り音防止の観点から
⚠️ 面風速が高すぎると:
①風切り音(騒音)が大きくなる ②居住者がドラフト感(寒さ)を感じる ③制気口周辺で乱流が発生し空調効率が低下する
特に住宅・ホテルなど静粛性が求められる空間では3.0 m/s 以下を必ず守りましょう。

インタラクティブ計算ツール

風量・サイズ・開口率を入力するだけで面風速の確認とサイズ逆算が自動計算されます。

制気口 面風速 計算ツール

給気・排気の面風速確認 & サイズ逆算に対応

通常は 0.8。メーカーカタログ値があれば実値を使用

📊 計算結果

制気口面積(全体)
有効面積(×開口率)
有効面風速 v
基準値
判定
給気は3.0、排気は4.0が標準的な上限

📊 逆算結果

必要有効面積
一辺の長さ(正方形の場合)
推奨サイズ(50mm刻み切上)
推奨サイズでの面風速

まとめ

ポイント内容
計算式v = Q ÷ (W × H × 開口率 × 3600)
給気の基準3.0 m/s 以下(天井高が低い一般室の場合)
排気の基準4.0 m/s 以下(風切り音防止)
開口率通常0.8を使用。メーカー値があればそちらを優先
サイズ逆算必要面積 = Q ÷ (v × 開口率 × 3600) → √で一辺を算出
サイズ決定算出値を50mm刻みで切り上げ、検算で面風速を確認
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繊細な設備屋けー君
設備施工管理として10年働いております。 図面作成他何かお手伝いできる事がございましたらご連絡お願いいたします 資格・・1級管工事施工管理技士、甲種Ⅰ類消防設備士、電気工事士です どうかぜひとも読んでいって下されば幸いです