本記事は、設計初期検討・概算用として使える
「ざっくり把握したい人向け」の簡易空調負荷計算です。
※実施設計・確認申請用ではありません。

🔧 インタラクティブ 空調負荷計算ツール

床面積・室用途・各種補正係数を入力するだけで必要冷房能力(kW・kcal/h・HP)を自動計算します。計算結果は下の能力目安表と連動してハイライト表示されます。

🔧 簡易空調負荷計算ツール

床面積・室用途・補正条件を入力するだけで必要冷房能力を自動計算(初期検討・概算用)

基準熱負荷: 135 W/㎡(120〜150)
📈 計算結果
必要冷房能力(kW)
kcal/h 換算
馬力(HP)換算目安
入力床面積:  / 基準熱負荷:
補正後概算負荷:  / 安全率:
⚠ この計算は初期検討・概算用です。実際の機器選定には製造者の詳細計算書をご確認ください。
変換: 1 kW = 860 kcal/h / 馬力(HP)は空調業界慣習で 1HP ≒ 2.5 kW として換算

① 室条件の整理(例題)

実際の設計では、まず以下の室条件を整理することから始めます。

項目数値単位備考
床面積100
天井高さ3m
室容積床面積×天井高さ=300
設計室温26一般的な冷房設定
外気温35夏期条件(目安)

室用途別 基準熱負荷(W/㎡)の目安

室用途基準熱負荷(W/㎡)特徴・用途
住宅居室100〜120寝室・リビング・個人事務所
事務所・オフィス120〜150一般的なオフィス・会議室
店舗・飲食130〜160小売店・飲食店・商業施設
工場・特殊室150〜200クリーンルーム・サーバー室・工場

計算ステップの解説(事務所 100㎡・南向き・標準断熱の例)

  1. 基準熱負荷の設定:事務所 → 135 W/㎡
  2. 方位補正:南向き × 1.15(+15%)
  3. 断熱補正:標準断熱 × 1.0(±0%)
  4. 窓面積補正:標準(25%)× 1.0(±0%)
  5. 安全率:× 1.15(推奨値)
  6. 計算:100 × 135 × 1.15 × 1.0 × 1.0 × 1.15 = 17,876 W ≒ 17.9 kW
  7. 換算:17,876 ÷ 1.163 ≒ 15,370 kcal/h / 17.9 ÷ 2.5 ≒ 7.2 HP
  8. 選定:8.0 kW クラスのエアコンを選定(または6.3 kW × 2台)

② エアコン能力の目安表(kW・kcal/h)

上のツールで計算後、推奨クラスが黄色くハイライト ★・対応可能クラスが緑・能力不足クラスが赤で表示されます。

冷房能力(kW)冷房能力(W)kcal/h想定床面積(目安)主な用途例
2.2 kW2,200 W1,892 kcal/h〜15㎡寝室・小規模個室
2.5 kW2,500 W2,150 kcal/h〜17㎡住宅居室
2.8 kW2,800 W2,408 kcal/h〜20㎡住宅リビング(小)
3.6 kW3,600 W3,095 kcal/h〜24㎡住宅リビング
4.0 kW4,000 W3,439 kcal/h〜27㎡小規模事務室
5.0 kW5,000 W4,299 kcal/h〜33㎡事務室・店舗
6.3 kW6,300 W5,417 kcal/h〜42㎡中規模事務室
7.1 kW7,100 W6,105 kcal/h〜47㎡会議室・店舗
8.0 kW8,000 W6,879 kcal/h〜53㎡中大規模事務室
10.0 kW10,000 W8,598 kcal/h〜67㎡大規模事務室
11.2 kW11,200 W9,630 kcal/h〜75㎡大規模会議室
14.0 kW14,000 W12,038 kcal/h〜93㎡大規模店舗・ホール

③ エアコン能力の目安表(馬力表示付き)

業務用エアコンでは「馬力(HP)」表示が一般的です。1 HP ≒ 2.5 kW として換算します。

馬力(HP)冷房能力(kW)kcal/h想定床面積(目安)主な用途例
1.5 HP4.0 kW3,440 kcal/h〜27㎡住宅〜小型事務
2.0 HP5.0 kW4,300 kcal/h〜33㎡小型事務室
2.5 HP6.3 kW5,418 kcal/h〜42㎡中型事務室
3.0 HP7.5 kW6,450 kcal/h〜50㎡中型事務室
4.0 HP10.0 kW8,600 kcal/h〜67㎡大型事務室
5.0 HP12.5 kW10,750 kcal/h〜83㎡大型事務室
6.0 HP15.0 kW12,900 kcal/h〜100㎡大型店舗
8.0 HP20.0 kW17,200 kcal/h〜133㎡大型店舗・工場
10.0 HP25.0 kW21,500 kcal/h〜167㎡大型施設
15.0 HP37.5 kW32,250 kcal/h〜250㎡大型施設
20.0 HP50.0 kW43,000 kcal/h〜333㎡大型工場

④ 初心者の設備技術者向けポイント

✔ この計算で「わかること」

  • 室のおおよその冷房能力(kW・kcal/h・HP)が把握できる
  • 単体機か複数台組み合わせかの判断ができる
  • メーカーへの概算仕様提示や見積依頼の基礎資料になる
  • 方位・断熱性能・窓面積による補正のイメージがつかめる

✖ この計算で「わからないこと」

  • 時刻別の最大負荷時間帯(朝・昼・夕方での変化)
  • 外壁・屋根・床からの熱貫流の詳細値
  • 湿度・潜熱負荷(除湿能力の詳細)
  • 換気・外気導入量による外気負荷
  • 照明・人体・OA機器など内部発熱の詳細
  • 実施設計・確認申請に必要な詳細計算書

📋 まとめ

  • 簡易計算の基本式は 床面積(㎡)× 100〜200(W/㎡) に室用途・補正係数・安全率をかけるだけ
  • 単位換算は 1 kW = 860 kcal/h、1 HP ≒ 2.5 kW を覚えておけばOK
  • 方位・断熱性能・窓面積で±20%程度の補正がかかることを意識する
  • 大容量が必要な場合は複数台の組み合わせで対応する
  • 概算結果を確認したら、必ずメーカーの詳細計算書・選定ソフトで再確認すること

上のインタラクティブツールを繰り返し使って、空調負荷の感覚を身に付けてください。

ABOUT ME
アバター画像
繊細な設備屋けー君
設備施工管理として10年働いております。 図面作成他何かお手伝いできる事がございましたらご連絡お願いいたします 資格・・1級管工事施工管理技士、甲種Ⅰ類消防設備士、電気工事士です どうかぜひとも読んでいって下されば幸いです