空調負荷計算の基本|簡易計算法・用途別目安・計算式をわかりやすく解説
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空調負荷計算とは、室内を設定温度に保つために空調機が処理すべき熱量を算出する計算です。空調機・チラー・冷却塔の容量選定の根拠となる重要な計算です。本記事では簡易計算の手順・単位・計算例を解説します。
空調負荷の種類
| 負荷の種類 | 内容 | 冷房・暖房 |
|---|---|---|
| 壁・屋根からの貫流熱 | 外壁・屋根・床から室内へ侵入(または逃げる)熱量 | 両方 |
| 窓からの日射熱 | ガラス面から太陽輻射熱が侵入 | 冷房 |
| 換気(外気)負荷 | 外気導入による熱量 | 両方 |
| 人体発熱 | 在室者の顕熱・潜熱 | 冷房 |
| 照明・機器発熱 | 照明・PCなどの機器からの発熱 | 冷房 |
| すきま風(隙間換気) | ドア・窓のすき間から流入する外気 | 両方 |
簡易計算法(概算)
Q = q × A Q:空調負荷 [W または kW] q:単位面積あたりの負荷 [W/m²] A:空調面積 [m²]
💡 概算値は用途・地域・建物性能によって大きく変わります。実際の設計では詳細計算(HASP・TRNSYSなど)を使用してください。
用途別の空調負荷概算値
| 用途 | 冷房負荷の目安 [W/m²] | 暖房負荷の目安 [W/m²] |
|---|---|---|
| 事務所(一般) | 80〜120 | 60〜90 |
| 会議室 | 120〜160 | 80〜100 |
| ホテル客室 | 60〜90 | 50〜80 |
| 病院病室 | 70〜100 | 60〜90 |
| 百貨店・商業施設 | 150〜200 | 80〜120 |
| レストラン・厨房隣接 | 200〜300 | 80〜120 |
| コンピュータ室・サーバー室 | 300〜600 | —(ほぼ冷房のみ) |
熱負荷の計算式(詳細)
| 負荷の種類 | 計算式 |
|---|---|
| 貫流熱(壁・屋根) | Q = U × A × ΔT (U:熱貫流率[W/m²K]、A:面積、ΔT:内外温度差) |
| 日射熱(窓) | Q = SC × I × A (SC:遮蔽係数、I:日射量[W/m²]) |
| 人体発熱(顕熱) | Q = n × qs (n:人数、qs:1人あたり顕熱 約60〜70 W/人) |
| 照明発熱 | Q = P [W] (照明電力がそのまま熱になる) |
| 外気負荷 | Q = 0.33 × V × ΔT (V:外気量[m³/h]、ΔT:温度差) |
空調機の能力換算
| 単位 | 換算 |
|---|---|
| 1 kW | ≒ 860 kcal/h |
| 1 RT(冷凍トン) | ≒ 3,517 W ≒ 3.517 kW |
| 1 USRt | ≒ 3,024 kcal/h(日本の1冷凍トンとは異なる) |
💡 計算例:300 m²の事務所(冷房負荷100 W/m²)→ 必要能力 = 300 × 100 = 30,000 W = 30 kW。ビルマルチや空調機の選定の際は余裕率1.1〜1.2を掛けて33〜36 kWを目安に選定します。
現場でよくある失敗3選
❌ 失敗① 概算値をそのまま機器選定に使うW/m²の概算値はあくまで初期検討用です。実際の選定では日射・断熱性能・在室人数・換気量をもとに詳細計算を行う必要があります。
❌ 失敗② 顕熱と潜熱を混同する空調負荷には顕熱(温度変化に関わる熱)と潜熱(水蒸気の熱)があります。COP・能力値のどちらを指しているか確認してから機器を選定してください。
❌ 失敗③ サーバー室・厨房の発熱を過小評価するサーバー室は300〜600 W/m²と一般事務所の3〜5倍の負荷です。厨房も同様に高負荷。特殊用途は必ず個別に精算してください。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 簡易計算 | Q [W] = q [W/m²] × 面積 [m²] |
| 事務所の目安 | 冷房80〜120 W/m²・暖房60〜90 W/m² |
| サーバー室の目安 | 300〜600 W/m²(高発熱用途) |
| 外気負荷の計算 | 0.33 × 外気量[m³/h] × 温度差 |
| 機器選定の余裕率 | 計算値 × 1.1〜1.2 |
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