防火区画の貫通処理|配管・ダクト別の工法と防火ダンパーの選定を解説
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防火区画貫通処理とは、消防・建築基準法が定める防火区画(面積区画・竪穴区画・異種用途区画)を配管・ダクトが貫通する際に、火炎・煙の伝播を防ぐために施す処置のことです。不適切な処理は法令違反となり、竣工検査で不合格になるケースがあります。
防火区画貫通処理が必要な配管・ダクト
| 種別 | 貫通処理の必要性 | 主な工法 |
|---|---|---|
| 給排水配管(鋼管) | スリーブ充填(モルタル)のみで可 | スリーブ + モルタル充填 |
| 給排水配管(塩ビ管) | 熱膨張性耐火材(防火措置)が必要 | 防火キット・耐火パテ・耐火テープ |
| 空調ダクト | 防火ダンパー(FD)設置が原則 | FD + スリーブ充填 |
| 排煙ダクト | 防火・防煙ダンパー(SFD/SD)設置 | SFD/SD + スリーブ充填 |
| 電線管(合成樹脂) | 耐火充填材が必要 | 耐火パテ・シリコン系充填材 |
💡 鋼管と塩ビ管で処理が異なる:鋼管は区画貫通後もモルタル充填でOKですが、塩ビ管は火災時に溶けて穴が開くため、熱膨張性の耐火材で閉塞させる処理が必要です。
防火ダンパー(FD)の種類と選定
| 種類 | 作動温度/条件 | 設置場所 |
|---|---|---|
| FD(防火ダンパー) | 72°C(温度ヒューズ溶断) | 一般的な防火区画貫通部 |
| SFD(防煙防火ダンパー) | 72°C + 煙感知器連動 | 排煙ダクト・防煙区画貫通部 |
| 高温用FD | 120°C / 280°C(温度ヒューズ) | 厨房排気ダクト |
| 電動FD(モーターダンパー) | 感知器連動・電気信号で閉鎖 | 空調系・外気取入れ |
💡 厨房排気ダクトの注意:厨房排気は油分を含む高温ガスが流れるため、標準の72°Cヒューズは誤作動の危険があります。120°Cまたは280°Cの高温用FDを使用してください。
施工の注意事項
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| スリーブのサイズ | 配管外径 + 50 mm以上(充填代を確保) |
| 充填材の選定 | 大臣認定品を使用(製品ごとに認定番号が異なる) |
| 充填箇所の記録 | 写真記録・施工記録表の作成(完了検査で確認される) |
| FDの点検口 | ダクト保温材の外側に点検口を設ける |
| ダクト接続部の隙間 | シール処理(ケナフ・ファイアーコーク等) |
現場でよくある失敗3選
❌ 失敗① 塩ビ管をモルタルだけで充填して終わりにする塩ビ管は火災時に溶けて穴が開きます。スリーブにモルタルを詰めるだけでは区画の役割を果たしません。必ず熱膨張性耐火材(防火キット・耐火パテ)を使用してください。
❌ 失敗② 厨房ダクトに標準温度(72°C)のFDを設置する厨房では調理中に排気温度が72°Cを超えることがあります。高温用(120°C以上)のFDを選定してください。
❌ 失敗③ FDの点検口を保温材で完全に塞いでしまうFDは定期点検が必要な設備です。保温施工後にFDにアクセスできなくなるケースがあります。点検口を必ず設けてください。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 塩ビ管の貫通処理 | 熱膨張性耐火材(防火キット等)が必須 |
| 鋼管の貫通処理 | スリーブ + モルタル充填でOK |
| ダクトの貫通処理 | 防火ダンパー(FD)設置が原則 |
| FDの標準作動温度 | 72°C(厨房は120°C以上) |
| 施工記録 | 写真・記録表を残す(完了検査で確認) |
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