【図解】給水負荷単位とは?新人技術者向けに配管図で計算手順をわかりやすく解説
「給水負荷単位って何?」「配管サイズはどうやって決めるの?」——そんな新人技術者のために、実際の配管図を使いながら、ステップごとにわかりやすく解説します。
給水負荷単位とは?一言で言うと
給水負荷単位とは、「この器具はどれくらい水を使うか」を数字で表したものです。
🚿 例え話:コンビニのレジを想像してください。お客さんが1人来ても10人来ても、レジの台数が少なければ並びます。給水配管も同じで、器具が多いほど「太い配管=多くのレジ台」が必要になります。その「込み具合」を数値化したものが給水負荷単位です。
📌 ポイント
負荷単位が大きい器具 → たくさん水を使う → 配管を太くする必要がある
負荷単位が小さい器具 → 少しだけ水を使う → 細い配管でOK
計算の全体の流れ(4ステップ)
今回使う例題の配管図
下の図を使って一緒に計算してみましょう。公衆トイレの給水系統です。道路の水道管から引き込んで、各器具へ給水します。
📐 例題の条件:公衆トイレ 大便器(フラッシュ弁)×2、小便器(フラッシュ弁)×2、手洗い×1 材質:HIVP(ビニル管)
STEP 1|器具の種類と数を確認する
まず配管図や設計図から「何がいくつあるか」を数えます。この例題では次の通りです。
| 器具の種類 | 種別 | 数量 |
|---|---|---|
| 大便器 | フラッシュ弁(公衆用) | 2 個 |
| 小便器 | フラッシュ弁(公衆用) | 2 個 |
| 手洗器 | 単口栓(公衆用) | 1 個 |
STEP 2|負荷単位表で合計負荷単位を出す
次に「器具給水負荷単位表」から各器具の単位数を読み取り、合計します。フラッシュ弁式は一気に大量の水を使うため、単位数が大きくなります。
| 器具名 | 洗浄方式 | 1個あたりの 負荷単位 | 数量 | 小計 |
|---|---|---|---|---|
| 大便器(公衆用) | フラッシュ弁 | 10 | × 2個 | 20 |
| 小便器(公衆用) | フラッシュ弁 | 5 | × 2個 | 10 |
| 手洗器(公衆用) | 単口栓 | 2 | × 1個 | 2 |
| 合計負荷単位 | 32 | |||
💡 よく使う器具の負荷単位(参考)
大便器フラッシュ弁(公衆)10 / 大便器ロータンク(公衆)5 / 小便器フラッシュ弁(公衆)5
小便器ロータンク(公衆)3 / 洗面器・手洗器(公衆)2 / シャワー 3 / 台所流し 3
STEP 3|線図から瞬間最大流量を読み取る
合計負荷単位(32単位)が出たら、「給水負荷単位同時使用流量線図」という図を使って、実際に流れる最大の水量(瞬間最大流量)を求めます。
📊 線図の読み方イメージ:横軸が「合計負荷単位」、縦軸が「流量(L/s)」です。フラッシュ弁を含む場合は上の曲線を使います。
👉 合計負荷単位 32単位 →(フラッシュ弁の線を読む)→ 瞬間最大流量 約 1.0 L/s(60 L/min)
STEP 4|配管サイズを決定する
流量(1.0 L/s)が決まったら、「配管流量線図」から配管サイズを読み取ります。単位摩擦損失(単位圧力損失)が 100〜200 Pa/m(1〜2 mH₂O/100m)の範囲に収まるサイズを選びます。
| 配管径(HIVP) | 流速(m/s) 流量1.0L/sの場合 | 判定 |
|---|---|---|
| 40A | 約 1.7 m/s | ❌ 速すぎ(騒音・侵食) |
| 50A ✅ | 約 0.8 m/s | ✅ 適正範囲(0.5〜2.0m/s) |
| 65A | 約 0.5 m/s | △ 問題はないが過大(コスト増) |
📋 計算まとめ
| STEP1 器具確認 | 大便器×2、小便器×2、手洗い×1 |
| STEP2 合計負荷単位 | 20 + 10 + 2 = 32 単位 |
| STEP3 瞬間最大流量 | 線図より 約 1.0 L/s |
| STEP4 主配管サイズ | 50A(HIVP)に決定! |
現場でよくある失敗3選
全ての器具が同時に使用されるわけではありません。給水負荷単位法は「瞬間最大流量線図」でこの同時使用を考慮しています。負荷単位を単純に合計した流量で配管サイズを決めると過大設計になります。必ず線図から瞬間流量を読み取りましょう。
給水系統と給湯系統は別々に負荷単位を集計します。混合栓がある器具(洗面器・浴槽など)は給水・給湯それぞれに負荷単位があります。一方しか計上しないと流量不足や過大設計の原因になります。
洗浄弁式(フラッシュバルブ)大便器の負荷単位は他の器具と比べて非常に大きいです。フラッシュバルブ1台が洗面器10台分以上になる場合も。トイレ数の多い物件では必ず大便器の負荷単位を正確に確認しましょう。
まとめ:新人が覚えること
- 器具の種類・数を数える(図面から拾い出す)
- 負荷単位表で各器具の単位を調べて合計する
- 流量線図で合計単位→瞬間最大流量(L/s)を読み取る
- 配管流量線図で流速が0.5〜2.0m/sに収まるサイズを選ぶ
※ フラッシュ弁式は一気に水を使うため単位数が大きく、配管が太くなりやすい点に注意!
最初は線図の読み方が難しく感じますが、手順さえ覚えれば必ずできます。現場で図面を見ながら「この系統の負荷単位はいくつ?」と確認する習慣をつけていきましょう!
給水負荷単位で配管サイズが決まったら、次は工事費の積算が必要です。配管・ダクト・機器据付・保温の全工種に対応した積算Excelテンプレートを配布中。数量を入力するだけで工事費が自動計算されます。
noteで積算テンプレートを見る(¥1,480)公共工事標準歩掛に基づいた実務向け設計。
給水配管の積算もこの1冊でカバーできます。
📄 この記事で紹介した計算をそのまま使えるExcelテンプレートをnoteで販売中です
【設備設計】配管摩擦損失計算書 Excel|Hazen-Williams式・8区間対応・管種別C値参照シート付き
👉 noteで購入する(¥1,480)
🎁 設備設計Excelテンプレート 9点セットもnoteで販売中(単品合計¥9,840 → セット¥3,980・約60%OFF)
【設備設計】現場で使えるExcel計算書テンプレート 9点セット
👉 noteでセット購入する(¥3,980)