異種金属接続時の腐食の原因を解説
設備業界ではよく「ステンレスと鉄」「銅管と鉄」など異種金属を接続します。異種金属は接続方法を間違えると、配管が腐食し漏水などの原因となります。
異種金属を接続する際には、腐食を防ぐための処置が必要です。
異種金属を適切な方法で接続しない場合なぜ腐食するのか解説していきたいと思います

金属腐食の8パターン
金属の腐食には大きく8つあります。設備配管で異種金属を接続して腐食の原因となるのは6の「電位差腐食です」
- 全面腐食
- 粒界腐食・・・局部腐食
- 孔食・・・局部腐食
- 隙間腐食・・・局部腐食
- 応力腐食割れ・・・局部腐食
- 電位差腐食(ガルバニック腐食)・・設備配管の腐食の原因
- エロージョン・コロージョン
- 酸化・高温腐食
水に触れていると異種金属の腐食が始まる
金属の腐食は電位エネルギーが原因であり鉄は電位が低く、ステンレスは電位が高いです。
ちなみに鉄とステンレスを対策せずに接続した場合電位の低い鉄が痛みますが、水気が全くない状態で異種金属を接続しても腐食はしません。
湿気がある状態でお互いの配管に触れてしまう事で腐食が始まります。
通常の空間では湿気が必ずありますので配管は必ず絶縁処理を行わなくてはいけません

配管の絶縁処理の接続例

絶縁スリーブ・絶縁ワッシャー・絶縁ガスケットの3点が必須ですね。
画像引用元 ステンレス協会 配管システム普及委員会
「ステンレス鋼管と異種金属とを接続する場合の絶縁施工について」
ステンレスと絶縁処理を行わずに直接接続が可能な配管材
設備配管でよく使用される材質はステンレス管と鉄管になります。ステンレス配管と鉄管との接続に特に注意が必要です
以下の資料はステンレス管と直接接続しても良い配管材質、接続してはいけない材質を明記しました。参考ください。

青銅は絶縁処理をしなくても良いが、黄銅は絶縁処理が必要なので注意が必要です。

画像引用元 ステンレス協会 配管システム普及委員会
「ステンレス鋼管と異種金属とを接続する場合の絶縁施工について」
金属の電位を表でまとめてみると

上記の表は参考文献をもとに簡略化し作成した表です
金の電位は高いです。金はさびない強い材質であることがわかりますね
ステンレスは塩素に弱い
ステンレス鋼は錆びないので金属として強いのではないかと思われますが、弱点があります。
それは海水や濃厚塩化物溶液が流れる環境に弱く隙間腐食をします
海風があたる場所やプール下の塩素濃度が高い空間に使用する架台や配管は塩ビ配管及び亜鉛メッキ架台を使用しましょう。