この記事はガラリ(グリル・ルーバー)のサイズ選定における概算・初期検討用の解説記事です。実際の設計では、メーカーカタログの有効開口率・圧力損失データを必ず確認し、最終的な機器選定に使用してください。

若手設備エンジニア向け | 建築設備設計の基礎知識

「ガラリって何サイズにすればいい?」——現場で先輩にそう聞かれたとき、スラスラ答えられますか?ガラリの大きさは風量・面風速・開口率の3つで決まります。この記事では計算式の意味から実例まで、若手エンジニアにもわかりやすく解説します。

インタラクティブ計算ツール

まず計算ツールを使って感覚をつかみましょう。モードAでサイズを求め、モードBで逆算確認ができます。

ガラリサイズ 計算ツール

風量・面風速・開口率を入力して、必要なガラリサイズを算出します

風量と目標面風速を入力すると、必要なガラリ寸法の候補を算出します。

換気量・給気量・排気量などを入力してください
OA(外気取入)は2.5 m/s、EA(排気)は3.5 m/sが一般的な設計値
不明な場合は30%で計算(メーカーカタログで確認を)

① OA・EAガラリの面風速 基準値

ガラリの面風速(フェイス風速ともいいます)とは、ガラリ全体の面積に対する平均的な通過風速のことです。速すぎると騒音や振動が発生し、遅すぎるとガラリが大きくなりすぎてコスト増になります。

種別推奨面風速範囲標準設計値備考
OA(外気取入)ガラリ2.0〜4.0 m/s2.5 m/s防虫網・防雨対策で低めが安心
EA(排気)ガラリ2.5〜4.5 m/s3.5 m/s騒音・周辺への影響も考慮
SA(給気・室内側)1.5〜3.0 m/s2.0 m/s室内美観・気流感に注意
RA(還気・室内側)1.5〜3.0 m/s2.0 m/sドアガラリ等は1.5以下が望ましい
💡 現場のポイント: OAガラリは雨水・虫の侵入防止のために防虫網(#16メッシュ程度)を設けることが多く、その分、有効開口率が下がります。網を含めた実効開口率でメーカーに確認しましょう。

② 面風速の計算式と考え方

ガラリの計算で使う基本式はとてもシンプルです。順番に理解していきましょう。

v = Q ÷ ( W × H × 開口率 × 3600 )
記号単位意味
vm/s面風速(フェイス風速)
Qm³/h風量(空気量)
Wmガラリの幅
Hmガラリの高さ
開口率―(小数)有効開口の割合(0.30 = 30%)
3600時間換算係数(1h = 3600s)

サイズを求める式(逆算)

必要ガラリ面積を求めるには、上の式を変形します:

1必要有効面積(m²)を求める
有効面積 = Q ÷ ( v × 3600 )

これが空気が実際に通り抜ける面積(スキマ部分の合計)です。

2ガラリ面積(m²)を求める
ガラリ面積 = 有効面積 ÷ 開口率

ガラリには羽根(ルーバーフィン)があるため、全面積のうち開口率分しか空気が通れません。

3W×Hの寸法を決める

ガラリ面積が決まったら、設置スペースに合わせてW×Hを選びます。例えば面積が0.6m²なら、W=1.0m×H=0.6mや、W=0.8m×H=0.75mなど複数の組み合わせが考えられます。

③ 計算例:排気量2,000 m³/hのEAガラリ

実際の例で計算の流れを確認しましょう。機械室の排気ガラリを選定する場面を想定します。

【設計条件】
  • 排気量 Q = 2,000 m³/h
  • 目標面風速 v = 3.5 m/s(EA標準値)
  • 開口率 = 30%(一般的なルーバー)
1必要有効面積の計算
有効面積 = 2,000 ÷ ( 3.5 × 3600 ) = 2,000 ÷ 12,600 ≒ 0.159 m²
2必要ガラリ面積の計算
ガラリ面積 = 0.159 ÷ 0.30 ≒ 0.530 m²
3寸法の選定

ガラリ面積 0.530 m² に対して、以下のような寸法が候補になります:

  • W=800mm × H=700mm(= 0.560 m²)← 余裕率 +5.7%
  • W=1,000mm × H=550mm(= 0.550 m²)← 余裕率 +3.8%
  • W=1,200mm × H=450mm(= 0.540 m²)← 余裕率 +1.9%

※ 設置スペースの制約に合わせて選択。50mmピッチの標準サイズに合わせるのが基本です。

💡 現場での注意点: 計算で出た面積はあくまで最小値です。実際には雨仕舞い(防雨型ルーバーによる通気抵抗の増加)や経年による汚れ詰まりを考慮して、10〜20%程度の余裕をもたせることが多いです。また、壁面の意匠的な制約(縦横比など)も考慮しましょう。

④ 開口率について — わかりやすく解説

開口率とは、ガラリの全面積のうち実際に空気が通り抜けられる割合のことです。ガラリにはルーバーフィン(羽根)があり、その分だけ開口面積が小さくなります。

開口率 = 有効開口面積 ÷ ガラリ全面積 × 100 (%)

例えば開口率30%のガラリは、1.0m×1.0m のサイズでも実際に空気が通れるのは0.3m²分ということです。残りの70%はフィンや枠で占められています。

開口率特徴用途例注意点
25〜30%標準的なルーバー一般換気・OA・EA最も一般的。概算はこれで計算
35〜40%高開口率タイプ大風量・省スペースメーカーカタログで確認必須
45〜50%特殊・メッシュタイプ特殊用途防雨性能が落ちる場合あり
※ 防虫網(ウィンドウスクリーン)付きの場合は、網の通気抵抗分さらに開口率が低下します
💡 新しい製品は開口率が高い: 近年のルーバー製品はフィン形状の工夫により40%以上の開口率を持つものも増えています。概算では30%で計算し、メーカー選定時に実際の開口率で再計算する習慣をつけましょう。

標準サイズ 参考表

以下は代表的なガラリサイズと、開口率30%での有効面積・処理可能風量の目安です。実際のメーカー製品サイズとは異なる場合がありますので、必ずカタログを確認してください。

W×H(mm)ガラリ面積(m²)有効面積(m²)
開口率30%
処理風量目安(m³/h)
v=2.5 m/s
処理風量目安(m³/h)
v=3.5 m/s
400 × 3000.120.036324454
500 × 4000.200.060540756
600 × 5000.300.0908101134
800 × 6000.480.14412961814
1000 × 6000.600.18016202268
1000 × 8000.800.24021603024
1200 × 8000.960.28825923629
1500 × 10001.500.45040505670
2000 × 10002.000.60054007560
このサイズ表は概算参考値です。実際の選定はメーカーの選定ツールや技術資料を使用してください。設置条件(防雨型・防虫網付き・二重ルーバーなど)によって有効開口率が変わります。
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現場でよくある失敗3選

❌ 失敗① 開口率を100%で計算してしまう

「ガラリ面積 = 必要面積」と思い込み、開口率を掛けずに計算するミス。例えば開口率30%のガラリで有効面積1.0m²が必要なら、ガラリ本体は3.3m²必要です。開口率を忘れると実際より小さいサイズを選んでしまいます。

❌ 失敗② 防虫網・防雨型の通気抵抗を忘れる

防虫網(ウィンドウスクリーン)付きや防雨型(鎧型ルーバー)は、通常のルーバーより有効開口率が5〜15%低下します。メーカーカタログに「網付き有効開口率」が別途記載されているので必ず確認しましょう。

❌ 失敗③ 余裕を取らずにぴったりサイズにする

計算で出た最小面積でガラリを選定すると、経年による汚れ・目詰まりで風量が不足します。実務では計算値より10〜20%大きいサイズを選ぶのが基本です。特に屋外設置の場合は必ず余裕を持たせましょう。

まとめ

ガラリのサイズ計算のポイントをまとめます:

  • 基本式は「v = Q ÷(W × H × 開口率 × 3600)」——この1本で全て解ける
  • 面風速の目安: OA(外気取入)は2.5 m/s、EA(排気)は3.5 m/s が標準値
  • 開口率は通常30%で概算。メーカー確認で実値に修正する
  • 計算で求めた面積より10〜20%大きめのサイズを選ぶと安心
  • 防虫網・防雨型ルーバーを使う場合は追加の通気抵抗を忘れずに
  • 最終的にはメーカーの選定ツールや技術資料で確認する

上のインタラクティブ計算ツールを活用すれば、現場での素早い概算チェックや社内打合せ時の資料作成に役立ちます。計算式の理解と合わせて、ぜひ日々の業務に活かしてみてください。

若手エンジニアの皆さん、わからないことがあれば先輩や設備メーカーの技術営業に積極的に質問してみましょう。計算ツールはあくまでも補助——現場の経験と知識が一番の武器です。

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繊細な設備屋けー君
設備施工管理として10年働いております。 図面作成他何かお手伝いできる事がございましたらご連絡お願いいたします 資格・・1級管工事施工管理技士、甲種Ⅰ類消防設備士、電気工事士です どうかぜひとも読んでいって下されば幸いです