ガラリの大きさを求める計算方法を紹介します
外壁面に取り付けるガラリと呼ばれる空気を取り入れたり居室の空気を排気したりするための開口部の大きさを選定するための計算方法を書いていきます。
ガラリを取り付ける作業は建築業者に依頼するため、大きさを計算し建築業者に正確に伝えてあげる事は重要な作業となってきます。ぜひ参考ください。
外壁ガラリの風速基準値
外壁ガラリの大きさを求める前に面風速の基準を確認します。
面風速が大きいと、風切り音が大きくなり隣の建屋の方への影響が出ます。
給気・排気それぞれの面風速は基準値を上回らないようにガラリの大きさを選定します
単位は(m/sec)とする
・外気取り入れガラリ(OAガラリ) 面風速 2.0~4.0 標準(2.5)
・排気ガラリ(EAガラリ) 面風速 2.5~4.5 標準(3.5)
面風速基準値を超えないように排気ガラリの合計(㎥)、給気ガラリの合計(㎥)を計算していきます
面風速の出し方
ガラリを通過する面風速の計算式は以下の式になります
Q÷(W×H×開口率×3600)
Q=風量 W=ガラリの横寸法 H=ガラリの縦寸法 開口率=ガラリの開口率
開口率とはガラリにはルーバーがついていますが、ルーバーのすきまがどれくらい空いていて空気を通しやすいかを表した率です。ガラリの開口率は基本的にはおよそ30%としています。
窓が100%の開口率としたら30%しか隙間がないイメージです
例題を用いて計算
排気の場合面風速を3m以下になるように計算してみます
ガラリ開口率を30%とします。
ガラリ開口率は建築業者に聞くと資料が出てきますが一般的には30%です
2000÷(W×H×0.3×3600)=3m以下
ガラリサイズW=0.8m H=0.8で作成した場合
2000÷(0.8×0.8×0.3×3600)=2.89m
面風速はおよそ2.9m
必要なガラリの面積は0.64㎡程度となります。
排気(EA)の場合は面風速の標準値にも3.5mですのでもう少しガラリを小さくすることも可能です。
外壁ガラリを取り付けるスペースに制限がある場合面積が大きく取れない場合には3.5m~4mの範囲に収まるように大きさを調整しても良いと思います。
ガラリの開口率は30%とします
排気の風量は同じく2000㎥とします
2000÷(0.65×0.65×0.3×3600)=4.38m
面風速はおよそ4.38m
ガラリの必要面積は0.4225㎡になります
面風速を早くするとその分ガラリの大きさは小さくすることが出来ます