受水槽の容量計算方法|計算式・原単位・設計例をわかりやすく解説
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受水槽の容量は「大きすぎると水が滞留して水質悪化」「小さすぎると断水リスク」が生じるため、正しく計算することが重要です。この記事では、設備設計の現場で使う受水槽の容量計算方法を、計算式・原単位・設計例を交えてわかりやすく解説します。
コンテンツ
受水槽とは
受水槽(じゅすいそう)とは、水道本管から供給された水を一度貯めておくための貯水タンクです。マンション・病院・ホテル・学校など、一定規模以上の建物では直結給水方式ではなく受水槽方式が採用されることが多くあります。
- 断水・水圧低下時でも一定時間給水を継続できる
- 水道本管への逆流・汚染を防止できる
- ピーク時の使用水量に対応できる
受水槽容量の計算方法
基本的な考え方
受水槽の有効容量は、1日の使用水量の40〜60%を目安として設計します。SHASE(空気調和・衛生工学会)の設計指針でも同様の考え方が採用されています。
📐 受水槽の有効容量計算式
V(m³)= Q × α
V:受水槽有効容量(m³)
Q:1日の使用水量(m³/日)
α:係数(一般的に 0.4〜0.6)
V(m³)= Q × α
V:受水槽有効容量(m³)
Q:1日の使用水量(m³/日)
α:係数(一般的に 0.4〜0.6)
| 条件 | 係数α |
|---|---|
| 一般建築物(事務所・マンション等) | 0.4〜0.5 |
| 病院・ホテルなど水需要が安定している施設 | 0.5〜0.6 |
| 断水リスクが高い地域・重要施設 | 0.6以上 |
1日使用水量の求め方
📐 1日使用水量の計算式
Q(L/日)= 原単位(L/人・日)× 人数(人)
Q(L/日)= 原単位(L/人・日)× 人数(人)
| 建物用途 | 単位 | 原単位 |
|---|---|---|
| 事務所 | L/人・日 | 100〜150 |
| 集合住宅(マンション) | L/戸・日 | 200〜300 |
| ホテル(客室) | L/床・日 | 350〜500 |
| 病院(一般病棟) | L/床・日 | 500〜700 |
| 小学校・中学校 | L/人・日 | 70〜100 |
| 百貨店・商業施設 | L/m²・日 | 15〜30 |
| 飲食店 | L/食・日 | 20〜40 |
受水槽容量の計算例
例:事務所ビル(200人)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 用途 | 事務所 |
| 在室人数 | 200人 |
| 原単位 | 120 L/人・日 |
| 1日使用水量 Q | 200 × 120 = 24,000 L = 24 m³ |
| 係数 α | 0.5 |
| 受水槽有効容量 V | 24 × 0.5 = 12 m³ |
例:マンション(50戸)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 用途 | 集合住宅 |
| 戸数 | 50戸 |
| 原単位 | 250 L/戸・日 |
| 1日使用水量 Q | 50 × 250 = 12,500 L = 12.5 m³ |
| 係数 α | 0.5 |
| 受水槽有効容量 V | 12.5 × 0.5 = 6.25 m³ → 7 m³(切り上げ) |
受水槽の設計上の注意点
- 有効容量と全容量の違い:最低水位〜最高水位の間が有効容量です。底板〜最低水位の部分は有効容量に含まれません。
- 水質管理:滞留時間が長いと塩素が消費されて水質が悪化します。容量を大きくしすぎないことも重要です(目安は最大2日分以内)。
- 点検スペース:建築基準法・水道法により、受水槽の周囲6面に60cm以上の点検スペースが必要です。
- 材質の選定:FRP・SUS・PCコンクリートなどから、用途・規模・コストに応じて選定します。
高置水槽・ポンプ直送方式との比較
| 給水方式 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 受水槽+高置水槽 | 停電時も重力給水可能・維持管理が必要 | 中高層マンション・病院 |
| 受水槽+加圧ポンプ | スペース不要・停電時は断水リスクあり | 中層ビル・ホテル |
| 直結増圧給水 | 受水槽不要・水質良好・水道本管圧力に依存 | 低〜中層マンション |
まとめ
- 受水槽の有効容量は 1日使用水量の40〜60% を基本とする
- 1日使用水量は用途別原単位 × 人数(戸数・床数)で算出する
- 原単位は事務所で120 L/人・日、マンションで250 L/戸・日が目安
- 設計では水質管理・点検スペース・有効水位にも注意が必要
受水槽の容量計算は、給湯設備設計計算書Excelテンプレートと組み合わせることでさらにスムーズになります。
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