給水配管の決め方

給水設備は人が建物を利用する上で必ず必要な設備です。今回は水を送る給水配管のサイズ選定の求め方を解説したいと思います。
水は配管の様々な抵抗に打ち勝って給水器具に辿り着きますが、たどり着いた先にでも必要な水量と水圧を確保しなくてはいけません
例題を用いて解説しますので参考にして頂けたらと思います
配管を流れる水量の決め方
配管を流れる水量の決め方には3種類あります
- 器具給水負荷単位方
- 器具利用予測法
- 水使用時間率と器具給水負荷単位法
今回はよく使用される器具給水負荷単位法について解説していきます
計算方法の流れ
次に計算にあたり大まかな流れを説明します。手順は大きく4つに分かれます
- トイレ、手洗い、風呂などの器具の全数を確認する
- 器具数を拾い出し給水負荷単位表を用いて負荷単位の合計を出す
- 給水負荷単位同時使用流量線図を用いて瞬間最大流量を出す
- 配管流量線図を用いて圧力損失を確認し配管径を決める
例題
大人数が使用する公衆トイレの大便器2個、小便器2個、手洗い1個の時の給水配管サイズを選定せよ。
材質はHIVP (ビニル管)とし、洗浄弁は大便器と小便器共フラッシュタイプとする
①トイレ、手洗い、風呂などの器具の全数を確認する
まず器具数を確認します。
例題から大便器2個・小便器2個・手洗い1個です
②器具数を拾い出し給水負荷単位表を用いて負荷単位の合計を出す
次に器具給水負荷の単位を用いて給水配管のサイズを選定していきます
負荷単位は公衆トイレですので公衆用に分類します
大便器2個×10=20
小便器2個×5=10
手洗い器1×1=1
合計負荷単位は20+10+1=31

この中で公衆用と私室用がありますが、違いとしては大勢の方が使用する公衆トイレか、住宅など少人数が使用するトイレかの点です
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③給水負荷単位同時使用流量線図を用いて瞬間最大流量を出す
大便器洗浄弁が多いためグラフは①を使用します。合計負荷単位30の場合同時使用水量は150ℓ/minとなります

④配管流量線図を用いて圧力損失を確認し配管径を決める
最後に流量と配管の圧力損失を読み取れる配管の流量線図を用いて配管径を決定します
先ほどの③の計算で計算給水負荷単位同時使用流量線図を用いて水量は150ℓ/minだと確認しました。
給水配管に関しての流速は1mから2.5m以下が推奨されていますが流速を落としすぎると配管サイズが大きくなってしまうためコストもかかります
目安として私は1.5mから2mくらいで計算しています。
150ℓ/minの時、流速1.5mから2m程度で合わせると圧力損失は1.5kpa/mです
交点を合わせると斜め線の配管サイズ40A以下ですので30A以上40A以下で選定しましょう

まとめ
今回給水配管サイズ選定方法を解説しました。
器具数が少なければ計算は楽ですが、大きい物件になるとトイレの数も増えますのでゆっくり計算していくのがおすすめです。今回参考にした資料です