各給水方式についてまとめてみました。
受水槽方式について作成しています
給水方式の種類
建物には規模や用途によって給水方式が異なってきます
給水方式の種類は大きく4種類あります
- 直圧式
- 加圧式
- 増圧直結式
- 重力式
表で大きい違いを比較してみます
| 方式 | スペース | コスト | 工期 | メンテナンス費用 | 建物採用 |
|---|---|---|---|---|---|
| 直圧式 | 狭い | 安い | 早い | 無し | 一般住宅 |
| 加圧式 | 普通 | 普通 | 普通 | 高い | 中規模から大規模建物 |
| 増圧直結式 | やや狭い | やや安い | やや早い | ふつう | 低層・小規模 |
| 重力式 | 広く必要 | 高い | かかる | 高い | 中規模から大規模 |
一般住宅で主に採用されているのが直圧式です
道路の水道本管から建屋に引き込みメーターを付けるタイプです
加圧方式(受水槽方式)について
一方でマンション・ビル・学校・病院などの大型の建物や、3階以上の建物では、受水槽方式ともいわれる加圧方式が用いられます。
大型の建物や、3階以上の建物で直圧式を採用すると給水量が足りなくなることがあるので必然と受水槽方式になってきます。
建物を設計する過程で水道局と呼ばれる上水を管理している団体(市管理)から水道方式は指示があるので指示にしたがって施工するようにしましょう。
着工前の打ち合わせは要重要です
受水槽の構造
受水槽は基本的には2層式になっています。２層式とは水を貯める層が2つある受水槽の事です。
２層式にするメリットは水槽の清掃をする際に断水することなく交互に清掃ができる点です。受水槽は各水道局からの清掃が義務付けられています。
受水槽に貯めた水を送るには給水ポンプが必要ですが、ポンプも故障時断水しないため2台必要になってきます。
受水槽の材質は主に以下の種類になります
| タンク種別 | 価格 | メンテナンス費用 | 施工性 |
|---|---|---|---|
| 木製 | 高い | 普通 | やりにくい |
| 内外ナイロン コーティング鋼板製 | 高い | かかる | やりにくい |
| ステンレス製(SUS) | 高い | 普通 | やりにくい |
| 樹脂製 | 普通 | 普通 | 普通 |
この中で一般的に使用されているのは樹脂製(FRP)になります
基本的には樹脂製(FRP)以外の材質を私は扱ったことはないです・・
受水槽の容量について
受水槽の容量は1日に使用する水量(L)の1/3～1/2になります
主な使用量(Q)について以下に記載します
マンションであればQ=250L/人×住戸人数
事務所であればQ=100L/人×在館人数になります
1人が使用する水量×人数で一日の水量が決まってきます。その水量の1/３から１/２の容量で良いという事です
受水槽を設置する際の注意点
①受水槽の周囲にはメンテナンススペースを設ける事。
＊周囲の壁から600㎜以上、下部は床から600㎜以上、上部は天井から1000㎜離します。上部のスペースが大きいのは水槽内部に入るためのマンホールが上部に設置されているので、マンホールの開閉がスムーズに行えるようにするためです。
②受水槽の組み立て時には各取付ボルトにゆるみがないか確認する事。
③オーバーフロー管には吐水空間をとる事。
＊受水槽の容量からオーバーしてあふれた水を排水に流す際に排水管と直接接続することはできません。間接排水と呼ばれる排水の方法でオーバーフロー水を流さないといけないのですが、オーバーフロー管の管端から間接排水の管端までの距離をを吐水空間と呼びます。吐水空間はオーバーフロー管のサイズによって変わってきます。配管サイズが大きいほど吐水空間は大きくなります。
④受水槽から出た配管と建物へ送る配管を接続する際はフレキシブル継手を使用すること。
⑤受水槽は基礎と呼ばれるコンクリートの上に設置する事。
⑥建物からの埋設配管が地中から立ち上がり、受水槽から出た配管とフレキシブル継手を使用せずに接続すると地震が発生した際に配管が破損してしまうのでフレキシブル継手を使用する事
