仕事(設備屋の話)

建設業が若手に人気がない理由

なぜここまで建設業は衰退するのか

建設業は日本の若者には人気がありません。

私の会社も、せっかく入社してくれた若い人達が3年経つか立たないかで離職していく。こんな状況がもはや10年近く続いています。

私自身も自分の子どもには建設業をさせたくはない仕事の一つです。

いつも仕事をお願いしている職人さんの息子さんも建設業の現場監督になったと伺いました

知り合いの職人さん

いやー息子が現場管理で働いているんだけど「やめとけ」って言ったんだ。

建設業は良くないからって。

建設業界なぜここまで嫌われるのか。

建設業が人気がない理由(職人編)

  1. 賃金が安い
  2. 暑い日や寒い日に屋外で働かないといけない
  3. 休みがない(工期が著しく短い)

建築、設備、電気の職人は建設業界のコアになる人達です。彼らがいないと日本の建築物を完成させることができません。

また設備屋の職人も水道、エアコン、換気などのライフラインを維持していく為に必要になる貴重な人材です。

ですが、賃金が安いのです。技能の差はあれど日本のライフライン維持の為に必要な人材の賃金が安いのです。

近年の猛暑の中や冬場の寒い日、雨の降る日にも給水管や排水菅を埋設してくれる彼らの苦労は一般の方にはわかりません。

単価のアップが当然ながら必要です

建設業が人気がない理由(設備施工管理編)

  1. 賃金が安い(大手サブコン等は除く)
  2. 休みがない(工期が著しく短い場合)
  3. 建築元請の段取りが悪い場合工程管理で振り回される
  4. 建築元請から値切られると設備工事の請負が削られるため儲からない
  5. パワハラまがいの言動を受ける(大手建設会社の場合が多い)

ざっと上げると施工管理で働くデメリット上記の内容だと思います

特に設備施工管理と電気施工管理は建築元請からの要望に応えなければなりません。

私は建築元請との対人折衝が非常にストレスです

しんどいのに給料が安い。

「建物を建てたい」との需要があるのになぜか単価が下がる建設業界が抱える謎の現象。

そりゃ誰も職人や施工管理なんてしたがらないよね。。

発注者が理解しないといけない事

建物を建てたいと思う発注者の方は建物を建てることは非常にお金のかかることだと認識してもらいたいです。

近年の材料の高騰を含めると自分たちが計画している予算の1.5倍は必要と判断した方が良いでしょう。

発注者が工事金額を安く求めれば求めるほど工事全体に関わる職人の給料も少なくなります

これでは職人の皆さんはやってられません。

会社が維持していく為にもお金は必要です。

工事請負金額を安易に値切ることはできません。

発注者が請負金額を安くさせるとサービスの質が低下する

工事金額を安くさせるとどのような現象が起きるのか。

「給料が払えないから現場に配置する施工管理者の人数を減らす。」

「職人も早く作業を終わらせたいから作業工数を抑えようとする」

「関わる人たち全員が儲からないから現場がピリピリする」

細かい箇所まで手を掛けられないから大きな欠陥にはなりませんが結果的には工事の品質が低下するでしょう。

高い金額でできるサービス提供ができないは自然な事ですね。建設業界だけは特殊ではありません。

価格交渉をする際は使用材料のグレードをダウンさせるなどの配慮を。

仮に発注者の方が工事金額を安くしてほしいと思うなら使用する材料のグレードをダウンさせるなどの配慮が必要でしょう。材料費を下げることができれば工事金額全体を少し下げることができます。

ゼネコンが理解しないといけない事

建築元請のゼネコンも自社が一番利益を取るのであれば、各下請けの利益が残るように作業徹底的に配慮しなければなりません。

近年関わるゼネコンの方には「少しの追加作業はタダでさせよう」「自分たちさえ良ければ良い」などと考えている方が多い気がします。

ですが人が動けばタダではできません。全て費用が発生します。

利益を残せないと下請けも会社を維持していくことができません。

「まともな工程管理もできない、本来元請が取るべき責任を下請け業者に押し付ける。」

そんなゼネコンと仕事なんかしたくはないでしょう。

乱暴な言い方ですが、ゼネコンは各下請けの技術や労働力を仕入れて発注者に販売するだけなのです。

仕事に対して怠慢な会社には注意すべきですが、「なんでも高圧的に接すれば言うことを聞く」といったパワハラ体質を変えていかない限り建設業界に人出など集まるはずもありません

まとめ

建設業界本当に人出が集まりません。

私の所属する会社も有難いことに仕事はあるが請負単価が安いのです

単価が安いと数をこなしていかなければいけません。ですが建設業、特に設備は手間がかかるのです。個人の能力にもよりますが、手間がかかると言うことは数をこなしていけないのです。

建設業界の根本的な解決は

  1. 工事単価を上げて現場の掛け持ち量を減らす。
  2. 休みを増やす(夏場なんか週休3日でもいいと思ってる)
  3. 工期を伸ばす。
  4. 発注者とゼネコンが全体が良くなるように意識を変える(個人的には一番の原因だと思っている)

建設業界はこれからも衰退の一途をたどりますが業界全体で関わる人が意識を変えていかないといけないでしょう。

ABOUT ME
繊細な設備屋けー君
子ども3人の子育てをしながら、建設業界の設備屋として約10年働いています。 日々精神的に追い詰められながら奮闘しています。 建設業界には絶対マッチしない繊細な気質でありながらも自身を変えていく過程や施工管理として働いて体験した内容をブログにて示したいと思います。 子育ての奮闘記もブログに記していきたいです。 私には目標がありその目標を達成したいと思います。 資格・・1級管工事施工管理技士、甲種Ⅰ類消防設備士、電気工事士です どうかぜひとも読んでいって下されば幸いです